文化庁の裁定制度①
権利者不明の場合の裁定制度
概要
他人の著作物や実演(歌手の歌唱や演奏、俳優の演技など)、レコード(CDなど)、放送番組または有線放送番組を利用(出版、DVD販売、インターネット配信など)するときには、「著作権者」や「著作隣接権者」の了解を得ることが必要になります。
しかし、権利者の了解を得て利用しようとしても、「著作権者が誰だか分からない」、「著作権者がどこにいるのか分からない」、「亡くなった著作権者の相続人が誰でどこにいるのか分からない」、「過去に放送された番組に出演した俳優がどこにいるのか分からない」等の理由で了解を得ることができない場合があります。
このような場合に、権利者の了解を得る代わりに文化庁長官の裁定を受け、著作物等の通常の使用料額に相当する補償金を供託することにより適法にその著作物等を利用することができるのが本制度です(法第67条)。
( 文化庁長官官房 著作権課 ホームページより)
裁定制度の実績
【平成二十五年三月二十九日 裁定】
株式会社旺文社 35件
株式会社世界思想社教学社 181件
株式会社ベネッセコーポレーション 62件
株式会社Z会 10件
株式会社世界思想社教学社 10件
【平成二十四年九月四日裁定】
株式会社ベネッセコーポレーション 53件
株式会社世界思想社教学社 182件
株式会社ベネッセコーポレーション 82件
株式会社学研教育出版 5件
株式会社旺文社 138件
株式会社世界思想社教学社 185件
株式会社旺文社 13件
【平成二十四年一月三十日裁定】
数研出版株式会社 4件
株式会社ベネッセコーポレーション 12件
【平成二十三年十二月九日裁定】
株式会社旺文社 3件
株式会社学研教育出版 26件
株式会社世界思想社教学社 30件
株式会社ベネッセコーポレーション 57件
株式会社Z会 7件
【平成二十三年六月三十日裁定】
株式会社Z会 15件
株式会社ベネッセコーポレーション 56件
株式会社世界思想社教学社 91件
株式会社旺文社 121件
株式会社ベネッセコーポレーション 70件
株式会社旺文社 8件
株式会社世界思想社教学社 102件
※官報に掲載された文化庁告示『著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第六十七条第一項に基づき、著作権者不明の著作物の利用について』(2011年6月~2013年5月掲載分)
上記実績を見ると、申請する企業は偏っています。裁定制度を利用せずきちんと著作権処理をしている企業もありますが、裁定制度を使わない、独自で処理もしない、リスク認識の甘い企業はまだまだありそうです。