株式会社ブルームーン

著作権の豆知識

COPYRIGHT'S TIPS

2016.12.15
著作権の豆知識

オーファンワークス実証事業実行委員会(著作権者不明等の場合の裁定制度の利用円滑化に向けた実証事業)

著作権の権利者団体(9団体)で構成する「オーファンワークス実証事業実行委員会」が平成28年10月から始まりました。

http://jrrc.or.jp/orphanworks/

この「事業趣旨」には、
   
   
現行の裁定制度に基づき、利用者に義務化されている「相当の努力」を払うべき権利者の捜索および文化庁長官への申請手続きについて、権利者団体が中心となってその作業を行う。また、これらの作業を一定期間でまとめ、集中して処理する。これにより、利用者の作業負担や処理コストを軽減し、より簡易に、かつ、権利者の権利を損なわずに裁定制度の利用を円滑化する方策について、実証的な検討を行う。
   
   
とあります。
   
   
通常の裁定制度申請と同じように、CRIC(公益社団法人著作権情報センター)へ「権利者を捜しています」の広告を出し、その後、提出書類の不備さえなければオーファンワークス(著作権者が不明、または連絡が取れないような著作物のこと)となって権利者の許諾をとらなくても勝手に使えるようになります。
   
   
既に何件か事案が発生し、権利者団体が「相当の努力」を払って権利者を捜索し、判明しなかったためCRICへ広告が出されていました。
この広告を弊社でちょっと確認したところ、比較的安易に複数の権利者が判明しました(もちろんオーファンワークス実証事業実行委員会へは連絡済です)。
   
私は以前からこの裁定制度の強引さには疑問を持っています。
本当のオーファンワークスと、そうでないもの(中途半端な捜索でオーファンワークスに紛れ込んでいるもの)が混在し、その申請内容についてのチェック機能がないため、極論をいうと、権利者捜索の時間、手間、費用を惜しむ悪意を持った申請者が、国のお墨付きを得て少額の補償金で著作物を勝手に使える制度になっているのではないかと思っています。
   
裁定制度に申請内容のチェック機能が付加されることを期待します。
   
   
■この記事に関連するページ

国内の著作権者調査(オーファンワークス対応)

https://bluemoon-copyrights.co.jp/other.html

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