株式会社ブルームーン

著作権の豆知識

COPYRIGHT'S TIPS

2020.11.10
著作権の豆知識

翻訳権の10年留保(旧著作権法:明治三十二年法律第三十九号)

昭和45年(1970年)12月31日まで施行されていた旧著作権法には以下の条文がありました。
  
  
第七条 保護期間-翻訳権
 著作権者原著作物発行のときより十年内に其の翻訳物を発行せざるときは其の翻訳権は消滅す
 前項の期間内に著作権者其の保護を受けんとする国語の翻訳物を発行したるときは其の国語の翻訳権は消滅せず

  
  
これはいわゆる「著作権の10年留保」というもので、海外の著作物の発行後10年以内に日本語翻訳本が発行されなかった場合、日本において翻訳権が消滅し、それ以降は自由に翻訳本が発行できることになっていました。
  
実はこの条項、今でも生きています。新著作権法の附則には以下の条文があります。
  
  
(翻訳権の存続期間についての経過措置)
第八条 この法律の施行前に発行された著作物については、旧法第七条及び第九条の規定は、なおその効力を有する。

  
  
この条文により、1970年12月31日までに原著作物が発行され、10年以内に日本において翻訳本が発行されなかった著作物は、その翻訳権は現在でも消滅しているということになります。
  
ただし、この消滅した翻訳権は紙での印刷によるものというのが一般的で、電子書籍としてネット配信する公衆送信権などは含まれていないので注意が必要です。

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