TPPと著作権
昨日の新聞で、
環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を前に、日本が著作権の保護期間を権利者の死後50年から70年に延長する方針を決めたことが明らかになった。(日本経済新聞、2013年7月9日)
とあります。
TPP参加は農業や医療だけでなく、著作権においても我が国に影響を及ぼしてきます。
このTPP知財条項(アメリカの要求事項)、ポイントは2つあります。
一つは『保護期間の50年間から70年への延長』、もう一つは『著作権法の非親告罪化』です。
1.『保護期間の50年間から70年への延長』
現在、日本の著作権法は保護期間を作者の死後50年と定めています。今回、アメリカはTPPで自国と同様の期間である70年に延長させることで、同国が国際収支で9兆円の利益を稼いでいる著作権利用料を守ろうとしています。
2.『著作権法の非親告罪化』
現在、日本の著作権法は親告罪で、著作権利者が告訴しない限り起訴できません。しかし非親告罪化すると、権利者からの告発なしで警察による摘発や刑事罰の適用が行えることになります。
こちらもアメリカが自国民の権利保護を容易にできるよう、強く求めてくるようです。
今後、対応が疎かな会社は、訴訟(対外信用失墜)リスク、高額賠償リスクを抱えることになります。