文化庁の裁定制度②
裁定制度の問題点
我々ブルームーンがメインで行なっている海外著作物に絞って、裁定制度を考えてみます。
通常、著作権の権利処理には1件毎に労力と時間と費用がかかります。海外の権利処理はなおさらです。
しかし裁定制度では、ちょっと探せば簡単にわかるにもかかわらず『相当な努力』をしたことにし、権利者不明と申請すれば、探す手前が省けるほか、同一カテゴリー(入試過去問題の二次利用など)で複数案件を一括申請ができ、利用料相当額(補償金)も何故か一般的な金額より安価(海外著作物)となっています。
それ以外でも、海外著作物利用では通常、煩雑な契約手続きや高額な送金手数料負担などが発生しますが、裁定制度を利用すればそれらも免除?されるわけです。
海外の著作者は自分の文章が使われているかどうかもわからないので、結果、著作物利用者から供託された利用料相当額などはいずれ国庫に入ることになります。
文化庁がこの供託金の本来受け取るべき権利者を探しているとは思えないですし。
この裁定制度は、国のお墨付きで著作権利者の正当な権利を侵害できる制度、と言わざるを得ないでしょう。